「アームチェアディテクティブ(安楽椅子探偵)」の形式を用いた推理アドベンチャーゲーム。映像はCGでは無く、人形を使用しておりどことなくNHK教育テレビの人形劇を彷彿とさせます。
プレイヤーは現場に赴くことなく、送られてきたビデオテープを基に推理します。他のゲームにはない操作方法に加え、シナリオに民俗学や宗教学を絡めているものもあり、引き込まれます。
1 キャラクター
南方珀堂
犯罪心理学教授。元は遺伝子工学を専攻していた関係で「遺伝子から見た犯罪心理学」を研究テーマにしている。イギリスで警察に協力していたが、日本に呼び戻された。
桐山順一
南方の犯罪心理学を受講する学生。父は検察庁長官の桐山三郎。お調子者で、的外れな推理をすることも多々あるが、時折南方を感心させる発言をすることもある。
葉山陽子
推理作家を目指して、南方の犯罪心理学を受講中。順一よりはやや頭が冴えており、性格は結構活発でツッコミ役することが多い。
※人形劇を演じる声優さんたちの熱演が、ゲームの演出とマッチしていて引き込まれます。スタッフロールに声優さん達の名前が載っていなかったのはとても残念でした。
2 ゲームシステム
検察庁から送られてくるビデオテープの気になったシーンを調べ、検証することのみ出来ます。それにより事件の真相に近づいていきます。
とても勿体ないと思った点があります。せっかく面白いシステムを採用しているのに、ロード時間が頻繁に挟まれ、話を進めるためのフラグ立てが多いため、テンポが恐ろしく損なわれている点です。
3 シナリオ
4つのシナリオに関する動画はそれぞれ9月13日頃までにアップ予定です。
練習用シナリオはちょっといまいちな感じでしたが、「奇術師の誤算」「四つの合鍵」は一般的な推理アドベンチャーとは違った視点ということも相まってとても楽しめました。
練習用シナリオ
メインシナリオとは話の進め方が異なる練習問題2問があります。
(1)殺害された金持ち未亡人。3人のうちは誰か?
人嫌い資産家である若き未亡人が殺害された。容疑者は3人の大学生。事件前のビデオの会話だけをもとに犯人を推理します。
(2)失敗したトリック。小説家2人のうち犯人と事件の動機は?
やり手の編集長が殺害された。容疑者に上がったのは売れっ子作家と不遇な作家の二人。犯行現場のトリックが失敗した痕跡には、売れっ子作家の原稿FAXが残されていた。
奇術師の誤算
稀代の天才奇術師、蕩庸斉天迷(とうようさいてんめい)がテレビ討論会で、警視総監を前に完全犯罪を宣言します。
その後、奇術ショーで天迷と警視総監は再び対峙する。そして奇術によって一人の女性が消失したのだった。
四つの合鍵
社会派ルポライターの佐竹雄二が殺害された。佐竹は家の合鍵を婚約者と3人の友人に渡していた。犯行現場は密室状態。犯行は誰が?一体何のために行われたのか?
4 概要
発売日 : 1997年8月7日
開発 : シンキングラビット
販売 : アトラス
ジャンル : 推理アドベンチャー
ランキング : 437/945位(セガサターンマガジンより)
動画
ディスクをオーディオ再生しましたところ内容は「汎用共通音声ver.1」でした
https://youtu.be/BAx3igocTmc
動画:【OP&ED】南方珀堂登場
演出は目を引き、ストーリーは上質で好みのものでした。しかし、テンポが恐ろしく悪いのと、フラグ立てが分かりづらく面倒すぎるのが残念だったよ。
※PS版もあります
Twitter YouTube